ケプラー望遠鏡の活躍
こんばんは、チェスです。
NASA(アメリカ航空宇宙局)の発表によるニュースで、「太陽系外で、地球に近い惑星を発見した」とのことです。
発見したのは、ケプラー宇宙望遠鏡。2009年にデルタ2ロケットにより打ち上げられ、丁度地球を追いかける様な太陽周回軌道で観測活動をしています。名前の「ケプラー」というのは勿論、かの有名な「惑星運動の3法則」の「ヨハネス・ケプラー」から貰ったのは確かなところでしょう。
どうして地球を回る衛星軌道ではなくて、そんな地球から遠いところでの観測をするかと言えば、地球の周回軌道では地球が「明るすぎて」観測に邪魔なのですね。また、黄道面(地球が太陽の周りを回っている軌道面)への観測も、太陽系外周にある「彗星の巣」というガス状ベルトが邪魔をするため、除かれています。
しかし、いかなケプラー宇宙望遠鏡といえども、直接に太陽系外の惑星を観測するなんていうのは、無理な話なんです。太陽系外の惑星というのは、あまりに遠く、あまりに暗いですからね。
ではどうやってそうした「外の惑星」の所在を知るのか。これは星の変光を観測するのですね。
恒星が別の恒星の周囲を回っていて、明るさが変わる変光星というのは、これは昔から知られていて、地上からも観測されています。がしかし、例えば我々の太陽系を、遠方から宇宙人がたまたま観測していたとして、太陽系最大の惑星は木星ですが、木星が太陽面を通過するときの変光を観測するというのは、物凄く微細な変化に過ぎないので、木星くらいのサイズの惑星が周回している星なのだな、とわかるのはかなり僥倖に恵まれた話になります。ましてや地球サイズの惑星による変光を捉えて、「あの星には生命体がいる惑星があるぞ」と気が付くのは大変なことです。
その「大変なこと」が色々な観測技術の進歩により、現実になったというわけ。
小生の以前の記事でも、地球外文明の存在確率を推定するドレイクの方程式とか、地球外文明捜索計画とかに触れたことがあったかと思いますが、どうにもこうにも宇宙はあまりにも広すぎるので、ご近所お隣といえどもそうそう簡単には見つからない。がしかし、ケプラー望遠鏡の活躍によって「もしかしたら、宇宙人とは言わないまでも何か生き物が発生している可能性が高い惑星」が見つかった、とすると、これはワクワクしてくるじゃありませんか。SFの世界でしかなかったことが、現実に少しづつわかってきたのですからね。
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