嗚呼!はやぶさ2は中止になるか
こんばんは、チェスです。
国の予算の中には、現在特別枠というのがありまして、来年度予算の中で「日本再生重点化措置」という枠内で、小惑星探査機「はやぶさ」の後継機「はやぶさ2」も予算獲得を狙っていましたが、残念ながら優先度は低いとの判定で予算は満額取れないということになりました。
元々は、「はやぶさ2」プロジェクトは、文部科学省が所管するJAXA=宇宙航空研究開発機構の中での予算さえ取れれば、全く問題はなかったのです。ですが、「はやぶさ2」はJAXAの中の予算配分競争に一度負けてしまい、しかし敗者復活戦として上記の特別枠で今年度予算が認められたという経過があるわけです。これには当然、昨年6月13日、奇跡とも言える初代「はやぶさ」のサンプルリターンを果たしてオーストラリアのウーメラ砂漠でカプセル回収成功がものをいっているのは確かです。
本来的にはJAXAの予算さえ取れれば、なんの問題もなかったのですが、JAXAは実用衛星開発打ち上げや有人宇宙活動に予算を振り分けて、「はやぶさ2」の如き宇宙科学関係のプロジェクトにはいささか冷淡である・・このあたりは、宇宙関係の著作の多いジャーナリストの松浦晋也さんが日経ビジネスオンラインのこの記事で詳しく書かれています。
上記記事に「はやぶさ2」のプロジェクトがスタート時点から既に遅れていて、しかしながら初代の大活躍をもって何とかかろうじて命脈を保ち、でもしかし目標の小惑星へ向けて打ち上げるためのローンチ・ウィンドウ2014、15年に間に合わせるためには来年度予算の満額獲得はどうしても必要な条件だった・・というあたりが詳しく解説されています。
勿論、準天頂衛星システムや、陸域観測衛星「だいち」の後継機も必要なものには違いない。が、GPSはどうしても日本独自のものが必要とも思えないし、地球観測衛星も日本以外に打ち上げることができる国や機関があるでしょう。しかし、今予算をつけなければ、「はやぶさ2」はローンチ・ウィンドウに間に合わないのです。来年度の予算が満額取れないと、「はやぶさ2」は事実上の中止である、と松浦さんは書かれています。
せっかく初代が大成功を収めたにもかかわらず、後継機の開発が実施に移されなければ、初代の開発と運用によって培われたノウハウや、何よりも増して貴重な人材というものが消えてしまいます。日本の科学技術の継続的な発展のために、初代の活躍を「良かった、感動した。」で終わらせてはいかんのです。費用を捻出するために、今こそ知恵を出さねばならない。
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