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御負け

 こんばんは、チェスです。

 随分とご無沙汰をしてしまいましたが、「日本語の語源を考えるシリーズ」です。
 あまりにご無沙汰なんで、そんな名前のシリーズだったかも忘れてしまいました。

 今回のきっかけは、通勤の車内で読んでいた「鬼平犯科帳」です。文庫版の14巻ですので、やっと半分を超えたというあたりでしょうか。次の15巻は特別長編「雲竜剣」なのですが、まだ未入手。

 で、「鬼平」の中で、作者の池波正太郎先生が「御負け」という言葉を使っておられました。

 まずは、辞書的な意味をおさらいしておきましょう。Yahoo JAPANの辞書機能を使って調べると、こんな風に出ておりました。

>1 商品を値引きすること。値引きの代わりに、景品を添えたりすること。また、その景品。「一〇〇円―
>しておきます」「―のキャラメル」
>
>2 ある事に付け加えること。また、そのもの。「話に―がつく」

 「鬼平」の中で池波先生が使われていたのは、2の意味です。「この話には御負けが付いた」と書かれていたかな。「余談」というくらいの意味でしょうか。
 我々が日常的に使っているのも、2の意味が多いのではないでしょうか。

 『新車を買ったら、オマケにナビを付けてくれてね~』

 とかですね。あるいは、チョコレートなどのお菓子についてくるおまけ=食玩というのかな=の方が人気だったりして、そちら目的でお菓子を大人買いする方もおられたようですが。

 でも、小生が注目したのは、1の用法です。池波先生は、敢えて漢字で「御負け」と書かれていらっしゃいますが、勝ち負けの「負け」に相手を敬う「御」の字をつけている言葉だというのが面白い。
 つまりこれは、商売用語ということになりますよね。
 客の値引き要請に応じて値引きをした=客の勝ち、売り手の負け=この値引きは私の負けです「御負けです」ということですね。で、用法が広がって、単なる値引き以外のサービスに、あるいは値引きの代わりに何か無償で付けたものも「御負け」となり、そこから「付け足されたもの」=御負けという2の用法になったのでありましょう。

 現在では、「おまけ」あるいは「オマケ」と書くことが多く、漢字で「御負け」と書かれることはあまり無い様に思います。でも、漢字で書かれていると、「オマケ」がどうして「余禄」の意味になったのか納得しませんか?

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