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一所懸命

 こんばんは、チェスです。

 今年の初めに「宮部みゆき」さんに凝っている、という記事を書きまして、その後も古本屋でこの方の本を見つけると買ってきて読んでいます。現在はクレジットカードが元での自己破産をテーマにした「火車」というのを読んでいます。
 ミステリーの売れっ子作家だけにストーリーテリングが巧みで、作品世界への引き込みが上手いのですが、魅力的なキャラクターの構築という点も見逃せないな、と認識しました。
 おっと、宮部みゆき論を書くのではなかったです。

 読み出してそれほどいかない頃、まだ1/5くらいを読んだ頃だと思いますが、「一所懸命」という慣用句が登場しました。
 この言葉、現在では「一生懸命」という風に使われることの方が多いのですが、実は本来的には宮部さんの用例「一所懸命」が正確なのです。
 この言葉については、会社で購読している「月刊総務」という雑誌の中で「歴史の中の総務部長」という連載を書かれている童門冬二さんが「織田信長の時代になるまでは、それまでの武士というのは『一所懸命』の思想を至上としてきた。これは自分の(所領とする)土地にしがみついて頑張るという思想であって、信長はこうした旧来の考え方の破壊者だった」と解説されていたのを覚えています。勿論、童門さんの著作を全て読んでいるわけではないので、「歴史の中の総務部長」以前にも既に書かれていることかもしれません。
 ともかく「一所」の所は、土地の意味なんですね。例えば、その時の政府、幕府などに任命されて管理を任された土地、その土地に密着していく生き様が「一所懸命」の思想であったというわけです。
 で、様々な点での改革推進派、革命者・織田信長は、これからは「一所懸命」の思想は古い、日本という国はもっと効率良く治められなければならぬ、と、まぁ今で言う行政改革を企画いたしました。彼は志半ばにして倒れましたけれども、歴史的には評価されることの方が多いでしょうかね。
 で、信長に否定されたから、言葉の方が変化してしまったのかどうか、そのあたりは知りませんが、ともかく現在においては「一所懸命」は、「一生懸命」・・一生を賭けてやる、ライフワークみたいなものかな、とか、自分の命を賭けてでもやり遂げる、命がけで頑張る、そんな悲壮感漂う意味合いの言葉に変わってしまいました。

 宮部さんは、本来用法の「一所懸命」を使われていたので、さすがだなぁと感じた次第です。

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