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東海林さだおさん

 こんばんは、チェスです。

 サラリーマン漫画という世界を開拓した東海林さだおさんは、現在はエッセイストとしても大変著名で、たくさんの本が書店に並んでいます。
 東海林さんには大変申し訳ないのですが、小職が東海林さんのエッセイを買うのは、常に古本屋さんで、出たばかりの新刊を買うのは「それほどまでしては読みたくはない」と思ってしまうのです。

 だからと言って、面白くないということはなく、東海林さんのエッセイのほとんどは、外れがありません。サラリーマンの気持ちになるために、わざわざ自宅と仕事場を分けて、自宅から仕事場へ通勤する毎日だそうです。(今でもそうなのかな)
 東海林さんの漫画も、無論そうなのですが、エッセイを読むと、この人の人間を見る目の暖かさがよく伝わってきます。社会というのは、世の中のというのは、ごくフツーの人がフツーに生活して成り立っているんだ、という当たり前のことを、さりげなく伝えてくれます。

 東海林さんのエッセイは、挿絵が入ります。元々漫画家ですから、挿絵はお手のもので、出版社としてはこんなありがたい作家はいないでしょう。東海林さんはかつて自らのエッセイを「肉屋の店先で、おかみさんがコロッケを揚げて売っている、あんな感じ」と書かれていたと記憶していますが、今や名エッセイストの名の方が通ってしまったのではないかと思います。

 自らの青春時代のことを綴った「ショージくんの青春記」という本があり、初恋の儚い思い出が出てきます。好きな女の子に思いを告げられない。悩んだあげくに、手紙を書くことにします。しかし、万一彼女の家で家族に見られたりしたらどうしよう、などとまた悩むのです。そして、年賀状を書く、ということを思いつくのです。これならばまったく怪しまれずに、自分の思いを告げられる。思いの丈を込めて、ショージくんは彼女への年賀状を書くのです。「謹賀新年」と。

 これをもってして、愛の告白とわかる人はおりますまい。
 でも、小職も小学生の頃、同じ様なことをしていたんですよね。

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