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労働組合

 こんばんは、チェスです。

 早いもので、会社に入って来年の4月で、丸20年になります。会社に入りますと、自動的に労働組合にも入りまして、毎月お給料の中から組合費というものを納付しなければなりません。ちなみに給料、若しくは給与というのは渡す方、即ち会社の方からみた言い方で、労働組合は、同じお金を「賃金」と言っています。夏と冬にいただくボーナスも、会社は賞与といいますが、労働組合は「一時金」と言っています。
 後から勉強したことですが、労働組合に入ることを条件として会社に入社する仕組を、「ユニオンショップ」というそうです。入社=組合員で、会社と労働組合はそうした取り決め=労働協約と言います=を結んでいるのです。
 ならば、チェスが入社した会社の労働組合は「ユニオン」なのか?というと、実はこれがそうではない。あくまで、組合に入る、入らないというのは、任意なのだそうで、だから入社後に労働組合に入るための届けに記名捺印をして、組合本部に出さないといけないルールだったそうです。もっとも、この「届出用紙」は、後にチェスが中間管理職になって、組合から出なくてはならなくなった時まで、名前が書かれていない状態で、ウチにありましたから、有名無実のルールなのでしょう。

 皆さんは、労働組合というと、どんなことを連想されるでしょうか。

 小職は、会社に入る前までは、国鉄や私鉄が春になると賃上げ闘争を繰り広げ、要求が通らないと電車を止めて所謂ストライキを打つ、という、どうもネガティヴなイメージが強かったです。自分達の生活を良くするために、電車に乗って会社に行かねばならない人達に迷惑をかけてもいいのか、という思いが強く、更に日本共産党や日本社会党という左派の政党も好きではなかったので、労働組合=赤旗=共産、というステレオタイプで見ていたと思います。電車が止まるストライキはこの頃なくなりましたが、しかしこのストライキは、労働者に認められている権利であって、決して非合法なものではないのです。でも、正確には「ストライク」と発音すべきもので、「ク」を「キ」と訛るのは日本語になってしまった証拠でしょうね。あと、「ストライク」と発音すると、どうしても野球用語に聞こえてしまう、という不具合もあるでしょう。

 ともかく、入社後、段々に会社に慣れて、色々と様子がわかってくると、労働組合の仕組も見えてきました。時代も、「資本家が労働者から不当に搾取する」といった世の中ではなくなり、確かに生活を守るための賃金闘争というものは基本でしたが、それより労働時間の短縮とか、環境の改善といったことに目がむけられるようになってきました。その頃に、支部の書記長をやれ、というお達しが小職に来て、大いに面食らいました。支部の執行委員もやったことがなかったのに、いきなり書記長です。「いったい書記長とは、どんなことをするんですか?」という質問を呈する人間に、後継者として指名した書記長も、大した度胸だと思いましたが、チェスにでもやれる仕事なら、まぁ大したことはなかろう、と思って1日考えて引き受けました。
 やってみると、これがえらい忙しい仕事で、びっくりしました。会社から組合にくる通知や連絡は、ほとんど書記長が処理しなくてはなりません。必要に応じて執行委員を集める執行委員会を開かねばならず、その際の議長を務めます。一般に、組合のトップは「委員長」なのですが、内部の事務方の責任者が書記長という位置付けで、とにかく大変でした。

 労働組合は、現在の世の中「雇用を守る」という方向に大きくシフトして、年々低下する組織率にも悩まされながら、難しい活動を頑張っています。高度経済成長、安定成長、バブル後の平成不況と、その時々に大事な役割がありましたが、現在も大切なポジションは変わっていないと思います。

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コメント

うちの会社には、労働組合というものはありません。というのも、急激に全国展開をして職員が増えた会社なので、そういうことはタブー視されていました。労働組合がないと、年度末にいわゆる「三六協定」というものを結び、労働基準監督署に提出しないといけません。以前の部署にいた時は、7年間私は「雇用される側」の代表となっていました。書類上、職員の過半数の選任(挙手による選任となっている)で私が代表となるわけです。でもそんなことを知っているのは上司と私と人事部だけです。書類提出のために労働基準監督署に行くことを口実にして、半日仕事をサボるのが楽しみでした。
窓口に、書類を提出に行っても、ただ確認をするだけで、すぐ終ります。こんなもので、残業や雇用条件を了承したことになるのかと疑問に思ったこともありましたが、今は労働者の地位は低いですね。「イヤなら、いつでも辞めてもいいよ」なんて感じだから。労働組合があると、そう簡単には、人事異動も退職勧告もできないようなので、うらやましいですね。

投稿: 水泳中毒患者 | 2004.12.21 01:38

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