ターボ
こんばんは、チェスです。
気のおけない友人仲間との飲み会というのは、楽しいものです。
会社のアフター5で、職場の面々とお酒を飲む機会も当然ありますが、正直言ってこちらはあまり好きではありません。チェスが事務職であるせいかもしれませんが、日がな一日、社内で見ている顔と、会社が終わってもなお飲み屋で延々過ごすというのは、たまにならいいでしょうが、週に1、2回は似たようなメンバーで飲みに行く人達の気がしれません。仲の悪い同僚、上司、重役の悪口が酒の肴になってしまうのでしょうが、どうも後向きのお酒になりがちです。
そこにいくと、会社と関係の無い友人知人とのお酒の席では、談論風発、アルコールが箍を緩めてしまうのか、声のトーンが高くなり、つい色々といらないこともしゃべってしまいます。最近こうした状況になると「ターボがかかった」ということにしています。
ところで、ターボって、いったいなんでしょうか。
正確には「ターボ・チャージャー」と言います。
自動車などのガソリンエンジンやディーゼルエンジンでは、ガソリンや軽油を空気と混合して霧状にしてシリンダーに噴射し、タイミング良くピストンが中の空気を圧縮することで内部で爆発させ、その爆発によってシリンダー内の空気を瞬間的に膨張させてピストンを押し下げます。この繰り返しでまずピストンの往復運動を得て、これを回転運動に変換して移動エネルギーを得ているわけです。
ですから、同じ排気量のエンジンでより大きな爆発力を得ようとすれば、高圧の空気を送りこめば、それだけ大きな爆発燃焼するはずです。
そこで、エンジンの排気ガスの気流を使って羽根車を回し、この羽根車でコンプレッサーを駆動して、高圧の空気を送れば、高い馬力が得られるぞ、ということで開発されたのがターボ・チャージャーです。
ターボが使われたエンジンは、同じ排気量のターボ無しのエンジンに比べて、大きな馬力を出すことができます。ですから、同じ排気量で比較すると、馬力の面でガソリンに劣ってしまうディーゼルエンジンは、ターボを使うことで馬力を上げることができ、ディーゼルターボというのは一頃良く登場していました。
圧縮された空気は温度が上がってしまいますため、これを冷却してやる「インタークーラー」という機構を付けた「インタークーラー付きターボ」というものもあったと思います。
ターボの欠点としては、高圧の混合気を作り出そうという考え方ですから仕方ないのですが、同じ排気量のエンジンに比べると、燃費という点において劣ってしまいます。燃費と引き換えに馬力を得ようとしている様なものですから、やむを得ないでしょう。
それから、原理的にある程度エンジン回転数が上がらないと排気ガスの流速が得られませんから、エンジンが低回転域ではターボの効果があまりありません。また、ターボの機構上、アクセルを踏みこんで、少し間があって、ようやくターボが効いて来る、このことから、この間のことを「ターボラグがある」と言われておりました。
この欠点を補うために、排気ガスではなくてエンジンの機構の一部を使ってダイレクトに過給してやる機械式過給機=スーパーチャージャーというものもありました。これであれば所謂ターボラグは無くなりますが、反面エンジンの機構が複雑になるなどの欠点もありました。
なにはともあれ、アルコールでターボがかかるのは、楽しいことではありますが、ターボで暴走しないようにしなければいけません、と自戒しております。
| 固定リンク
« 新札 | トップページ | 続 デンタルフロス »
コメント
混合気を圧縮するのはガソリンエンジンで、ディーゼルエンジンでは圧縮行程では空気のみ圧縮します(予混合圧縮着火方式を除く)。よって、ターボ装着=燃費の悪化とは(ディーゼルエンジンの場合)なりません。むしろディーゼルにおけるターボの目的は、熱効率(=燃費)の改善とトルクの向上にあります。現に、VW LUPO 3LTDIにはターボが装着されており、30km/Lを実用燃費で達成しています。
投稿: P307HDi | 2004.11.14 23:32
おはようございます。P307HDiさま。
日本におけるディーゼル車は、例の黒煙もうもうのためか乗用車では非常に嫌われており、一昔前に比べるとすっかり減りました。
ですので、ディーゼルエンジンを使っている乗用車は欧州車に多いのでしょうね。日本に輸入される欧州車はガソリンエンジンばかりです。その逆に日本から欧州へ輸出される乗用車には、ディーゼルがあるようです。欧州専用という仕様なのでしょうか。
いずれにしても、ディーゼルターボの場合には、燃費はむしろ改善の目的で装着されるわけですね。勉強になりました。自動車の専門家の方でしょうか。
投稿: チェス | 2004.11.15 07:37
昨日の不躾なコメントご容赦くださいませ。
ディーゼル=黒煙というイメージは某知事のパフォーマンスのおかげで日本国民に定着してしまいました。コモンレールシステムとDPFを装着した私のプジョー307HDiでは、黒煙など無縁です♪
欧州で販売される日本車で言えば、ヤリス(ヴィッツ)の1.4LディーゼルやMAZDA1にはプジョー(PSA)のユニットが搭載されています。ホンダにはいすゞのエンジン(最新のアコードでは自製したようです)。最近発売された新スイフトにはフィアットのディーゼルが搭載されています。各社入り乱れてバトルロイヤル状態ですね。
あ、わたしは只のしがないプログラマーです。
欧州ディーゼルの魅力について、私のブログに駄文を載せています。お暇があれば御覧になってください。
投稿: P307HDi | 2004.11.16 03:19
おはようございます、P307HDi様。307のディーゼルに御乗りになっているとは、筋金入りのプジョーユーザー様ですね。ディーゼルはプジョージャポンはインポートしていないと思うので、平行輸入という奴でしょうか。
小職のは同じ307でもSWという、ハッチバックより少し車重の重い奴ですので、ハッチバックより燃費が悪い様です。
ただ、街乗りがほとんどですので、燃費の件は割引く必要がありますけど。
欧州車のディーゼルは、年々進歩している様ですね。コモンレールというのは非常に興味があります。このままですと国産各メーカーは小型ディーゼルの分野で欧州に置いていかれるかもですね。
新型アコードのディーゼルエンジンは、自社製みたいです。ディーゼルエンジンのトップカバーを小職の勤務先で受注させていただきましたので。(ディーゼルはガソリンに比べて振動が大きいらしいです。)
ブログ是非読ませていただきます。ありがとうございました。
投稿: チェス | 2004.11.16 09:39