弁理士
こんばんは、チェスです。
日本には、明治維新が起きるまで、「武士」=サムライという職業がありました。ありはしましたが、戦争に出ていくのが仕事の、いってみれば「職業軍人」としてのサムライは、徳川幕府の成立とともに自然消滅というか、「職業軍人」から「お役人」へと社会での役目は変わらざるを得ませんでした。徳川幕府400年は、戦争の無い時代だったのですから、まぁ当然です。
明治維新とともに、お役人としてのサムライも消滅してしまったのですが、実は現代社会においては、「サムライ業」と言われる職業の方々がいらっしゃいます。
後に、「士」の字をくっつけている方々、ホラ、皆さんの近くにもいらっしゃるでしょう。○○士、という人が。いや、オレは競馬予想士ダヨ、というインチキ臭いのはダメですが。
社会的にステータスの高い弁護士、公認会計士、税理士、ちょっと身近で会社がよくお世話になる司法書士、行政書士、建築士に気象予報士と、他にも様々な「サムライ」達が社会で活躍しています。
その中で、小職がもっともお世話になり、かつお付き合いが長いのが、「弁理士」の皆さんです。
知名度は今一つではありますが、弁理士のお仕事というのは、日本経済において今後重要度を増してくる、知的財産を取得し、維持・活用するためには、なくてはならないものなのです。
端的に言えば、発明に代表される知的生産活動の成果を、行政庁=日本は特許庁、によって保護してもらうために特許という知的財産の形にする、という仕事と言えます。その意味で言えば、行政庁への申請手続書類を作成する、行政書士の、専門特化したもの、ということもできるかもしれません。
ただ、弁理士の役割は、特許を取るための書類作りだけではありません。特許を取れれば、次はこれを使ってしっかり自社の技術を守れるか、あるいは特許権を侵害している他社に、どのように攻めていくか、交渉がうまく行かなければ裁判沙汰ということになりますが、訴訟の代理人になる弁護士の補佐をして法廷に出ることもあります。司法書士的な働きも期待されるのです。
発明を正しく評価して、最も強力な権利を取るには、その技術分野に精通していなくてはなりません。特定分野の技術士という素養も要求されます。
これだけ大変な「サムライ」の一員なのに、ご職業は、と聞かれて「弁理士」をしております、と答えたら、「便利屋」さんなの?と聞き返された弁理士さんがいらっしゃったとか。
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