SETI
こんばんは、チェスです。
先日、Yahoo Japanに流れているニュースで、面白いものがありました。こんなのはめったに流れませんが、宇宙からの、水素元素周波数帯域のおかしな電磁波が捉えられた、というものです。全部で3回観測され、現在は観測できないのだそうですが、これはひょっとすると宇宙のどこかの知的生物からの電波か?ということでこの方面の研究者が注目しているということでした。
地球外の文明を探す試みは、随分昔から行なわれています。
現在は世界的な協力態勢で行われており、SETI(セチ)と呼ばれています。サーチ オブ エクストラテレストリアル インテリジェンスの頭文字を取ったものですね。地球外知能の探査、ということになるのでしょうか?
こいつは昔からの学者や、はたまた小説家などが扱うテーマとしては格好のもので、学問的な探求を別にすれば「宇宙人というのは果たしているか?」という問いに集約されてしまうものです。H.G.ウェルズの名作「世界戦争」(一般には「宇宙戦争」と約されていますが、原題は「The War of the Worlds」です。)の様に、今となっては火星から火星人が攻めてくる、とは小学生でも思っていない様に、我々の太陽系の中では、知的生命体はもとより、原始的生命も果たしてどうか、という状況です。ですので、地球外文明を探すとすれば、勢い遠方の恒星系を探す、ということになってしまいます。
しかし、そう簡単に言っても、当たり前のハナシですが、宇宙は広いです。宇宙での距離を表すのには、地球上の尺度はとてもではありませんが使えませんから、光が飛んでいって何年かかります、という「光年」という単位をつかいます。物理的に光より速いものが無いので、光が飛んで行くのを尺度にしているのです。
我々の太陽系から、比較的ご近所の恒星系は、良く観測されていて色々わかっているのですが、光が飛んでいって10年かかる、つまり10光年の範囲には7つほどの恒星があることがわかっています。一番近いところで、4.6光年ほど、今すぐ光が飛んでいっても、あちらに着くのは4年と半年以上かかるのです。仮にですが、その恒星が大爆発を起こしたとしても、我々がその大爆発を観測できるのは、4年と半年ちょっと後、ということなのです。
我々の太陽系にもっとも近い恒星で、こうなのですから、広大な宇宙の星の光の殆どは、人類やら、地球すら生まれていない遥か昔の光を、やっと観測している、ということになります。遠くになればなる程、昔のことであるのです。
これでは、SETIによって、地球外知能による電磁波を掴まえた、宇宙の我々の隣人の証拠である、ということになったとしても、その地球外文明とやらは、もうとうの昔に滅び去っていて、我々は最盛期の頃の電磁波を観測して喜んでいるだけ、ということになりませんでしょうか。
いや、だからSETIは無駄なばかばかしい試みだ、などというつもりは全く無いのですけれども、宇宙はあまりにも広いのです。
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