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ミッドウェー(1)

 こんばんは、チェスです。

 今、横山信義さんの新刊「烈日」(上下)を読んでいます。
 この小説は、実際に太平洋戦争で起こった日米両海軍の激戦「ミッドウェー海戦」を扱っています。

 小説の方は、この本が出版されたばかりの新刊であり、これから読む方のために、その中身には触れないことにします。

 実際のミッドウェー海戦というのは、太平洋戦争に詳しい方ならどなたでもご存知ですが、それまで連戦連勝の勢いだった日本海軍、その千両役者であった第1機動艦隊が、初めて喫した大敗北でありました。
 言わば太平洋戦争の分水嶺といってもよい海戦であり、これを境に日本はじわじわと各地で米軍に押され始め、戦争が長期化するにつれて日米双方の総合国力の違いが大きくものをいうようになり、後は「負けるべくして負けた」などと言われる敗戦になるのです。

 連合艦隊の司令長官であった、山本五十六大将は、アメリカの巨大な国力というものをよく認識していた、だからアメリカとの開戦には反対であったし、しかし歴史の流れとして米国との戦争になった場合には、短期決戦、つまり日米双方の国力がものをいう長期戦になる前に、日本海海戦の様なパーフェクト・ゲームを積み重ねて、アメリカがやる気を失ってしまったところで何とか講和して戦争を終結させたい、とその様に考えていた様です。
 確かに、太平洋戦争で、日本がアメリカと五分の条件で戦争の幕引きをするには、そうした状況しか有り得なかったでしょう。が、日本は海軍だけで戦争をしていたのではなくて、中国にどっぷり漬かってしまった日本陸軍は、仮に日本が勝っていた時にアメリカと講和をしましょう、と言っても到底賛成することは無いでしょう。
 結局のところ、どこでどう転んだとしても、日本としてはコテンパンにアメリカに負ける以外の歴史は有り得ない、このように分析する戦史研究家もいます。

 ですが、その様な大局的な流れはさておいても、このミッドウェーの海戦というのは、色々と興味深い点が尽きません。

 まず、真珠湾奇襲攻撃から連戦連勝であった、第1航空艦隊、この主役の空母6隻のうち、第5航空戦隊の2隻の空母は、ポート・モレスビーを攻略するための部隊とともに南に派遣されていました。これを阻止するために出撃してきたアメリカ海軍の空母、「レキシントン」「ヨークタウン」との間に「珊瑚海海戦」が発生し、「レキシントン」は沈没、「ヨークタウン」は損傷という戦果を上げた代わりに、第5航空戦隊の「翔鶴」が損傷し、「瑞鶴」は被害こそなかったものの搭載していた航空機の相当数を失ったため、ミッドウェー海戦には参加できなくなったのです。あげくにポート・モレスビー攻略は中止されました。

 本来、6隻の空母で編成されていた、第1航空艦隊は、4隻の空母に減ってしまったのです。これでミッドウェー攻略作戦を行なわなくてはいけなくなりました。

 一方のアメリカは、どうだったか。この時点のアメリカ海軍は、まだ充分な戦力が整備されているとは言えません。しかし、日本軍の暗号電文の解読に成功したアメリカ軍は、日本軍の次の目標がミッドウェーであることを突き止めていました。そこで、珊瑚海海戦で損傷した空母「ヨークタウン」を真珠湾で突貫工事により応急修理して、「エンタープライズ」「ホーネット」の2隻の空母とともにミッドウェーに向かわせました。
 トラの子とも言える大事な空母を3隻用意して、第1航空艦隊を迎撃せんと準備していたのです。(つづく)

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