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力武常次先生

 こんばんは、チェスです。

 今朝の朝刊で、東京大学名誉教授の力武常次先生が亡くなられたことを知りました。83歳。
 力武先生は、日本の地震研究をリードされてこられた学者で、小職が高校生の時「地震予知」という本を読んだことを覚えています。地震研究としてのお名前が有名なのですが、ご自身の専門は、地球電磁気学であったと思います。

 1970年代の後半か、80年代に入ってからか、ちょっと記憶が怪しいのですが、「東海大地震」がいずれやってくる、何とか観測で予知できないものか、ということと、実際に大地震が起きたらその対策を有効に打てる様に、と東海地域の地震観測体制の強化と、法律面からの手当てとして地震防災対策強化地域というのが指定されました。
 相模湾から、伊豆半島を隔てて駿河湾の海の底は、相模トラフ、駿河トラフという、太平洋とフィリピン海プレートが大陸に向かって沈みこんでいる場所があり、勿論沈みこむといってもほんの僅かづつなのですが、僅かづつではあっても、次第に沈みこまれる方の大陸側に歪のエネルギーが蓄積されて、ついには堪えられなくなって破壊に及ぶ、これが海洋型大地震のメカニズムと言われています。
 こうした仮説が正しいのであるならば、歪が破壊に及ぶ前に、必ず何らかの前兆があるはずだ、そいつを観測して、前もって警報を出すことができれば、人的被害は最小限に食い止めることができるのではないか、まぁそういった考えにより、相模湾から御前崎、遠州灘にかけての地域には、傾斜計、歪計、地震計、ラドンや地下水の測定装置などがびっしりと配置され、これらの観測データは気象庁にリアルタイムで送られることになっています。
 駿河トラフの破壊を事前に観測するために、御前崎の沖合い海底には地震計が並べられています。

 もっとも、政府がこうやって東海地域に拘っているのをあざ笑うかのように、都市直下型大地震として阪神淡路大震災が発生し、多くの人命と財産が失われているのです。

 「天災は、忘れたころにやってくる」という名言を残したのは、明治の物理学者、寺田寅彦先生ですが、前述の力武先生も、この言葉をしばしば引用されていました。
 おりしも、今年もまた関東大震災の9月1日がやってきます。
 高性能のコンピュータシミュレーションソフトや演算装置、多くの観測装置を揃えていても、地震を予め予知するのは、まだまだ至難の技ということです。ならば我々は、明日大地震が来ても大丈夫なように、日頃の備えを怠らない様にせねばなりますまい。

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