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紀行作家・宮脇俊三氏

 こんばんは、チェスです。

 山手線の方向表示で、思わぬ好反応が得られましたので(って、ここだけのローカルな感じですけど)それに気を良くして、再びレイルファンのお話です。

 日本という国は、非常に鉄道ファンの多い国であると言われています。所謂先進国を眺めてみても、これほど鉄道という交通に思いを寄せる一群の人々がいる国はない、ということです。
 鉄道ファン・レールファンという人々にも色々なタイプがあって、それぞれに派閥を形成して興隆を図っています。最大派閥はなんといっても車両派であり、更にこの中には模型グループ、写真グループ、近年勢力を広げた「電車でGO」などのコンピュータゲームグループなどがあります。

 一方で、地味な存在ながら、ヲタク度は相当に高いのが時刻表派であり、これの分派で鉄道推理小説派などというのもあります。時刻表主流派の如きは、JR時刻表大改正などというと目の色を変えて改正号を読み耽り(どうして「読む」ことができるのでしょうね??)果ては時刻表から自家製のダイヤグラムを引いたりしています。(順序としては、これは逆であって、本来は先にダイヤグラム=所謂ダイヤがあり、それを元に時刻表が作成されます)。

 最も地味なのが、鉄道旅行派ですが、この派には古くは内田百閒氏、阿川佐和子さんの父上阿川弘之氏、斎藤茂吉長男の斎藤茂太といったビッグネームが揃っています。その中でも宮脇俊三氏は、時刻表派に所属していながら、同時に筋金入りの鉄道旅行派の幹部という存在で、氏が初めて世に出した著作は「時刻表二万キロ」という名作です。
 小職が高校生の時、レールファンであった友人からこの人の著作を教えてもらい、読んでみると、大変な名文家であり、読んで楽しい紀行文でありながら、鋭い文明批評にもなっています。
 宮脇氏が名文家であるのは訳があり、氏は長い間中央公論社に勤務され、同社の出版部、編集部を経て取締役編集局長、常務取締役まで勤めた方です。作家と共同作業の本作り、作家の原稿を読むことが商売であったのですから、文章修行を長年積まれ、ひょこっと出てきたタレントライターなどは足元も及ばない、優れた文章を書くことができたのです。
 それでいて、出版社勤務時代に溜め込んだ各種の知識は多方面に及び、氏の著作からは博学多才がうかがえます。
 単なる鉄道ファンの旅行記とは片付けられない、楽しい鉄道旅行案内書にして日本や世界の人、自然、沿線描写に加えて、鋭い文明批評を含む読み物、それが宮脇氏の数多くの著作です。

 宮脇氏は昨年2003年2月、肺炎のため都内病院で逝去されました。76歳でした。あちらへの旅も、「鉄道でいくぞ」と頑張られたのではないでしょうか。

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