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下垂体腫瘍 その3

 こんばんは、チェスです。

 下垂体腫瘍を取り除く手術は、午後の最初に行われるとの事で、その日の朝食、昼食は当然ナシです。お腹が空きますが、やむを得ません。
 通常の点滴と異なる、結構太い針の点滴を刺されて、お尻に強烈に痛い注射を打たれ、前と後ろに1枚づつのエプロンみたいな手術着に着替えて、準備は完了です。1時少し前に病室に台車がやってきて、手術室に向かって出発です。病室の皆さんから「頑張れよぅ」と声を掛けられ、「どうもどうも、では行ってきます。」などと答えて(内心では「いや、頑張りようがないんだがな」と思い)台車ごとエレベータに乗り、中央手術部という扉から入ります。ここで病棟の看護婦さんから手術部の看護婦さんに身柄が引き渡されます。足首に名前を書いた札がくっつけられ、私自身フルネームを申告して、本人確認をおこなうというわけです。
 さて、身柄引き渡しが終わると、いくつもある手術室の中の1室に、台車ごと、ゴロゴロと入っていきます。既に何人ものスタッフが機械の調整やら何やらをしている中、「それではこの台の上に寝て下さい」とのご指示があり、「よろしくお願いしまーす」と言いつつ、台車から降りて手術の台に乗ります。意外に小さく狭く、ちょっと動いたら落ちてしまいそうです。そんな台ですので、たちまち手足を縛られてしまいます。そこへ、昨晩説明に来られた麻酔科の医師が現れ、鼻と口にあてがう透明なマスク状のものをあてて、「それじゃいきましょうか、最初は酸素を流しますから、リラックスして深呼吸してください」などとおっしゃいます。で、「では、ガスに切り替えますね。・・チェスさん?」「ハイ」「チェスさ・・・」麻酔というのは、ものすごい効き方ですね。

  で、約8時間程が経過・・・・・

 もう意識がなく、皆様が大奮闘で手術をやっていただいているのを知らず何時間か経過の後、「チェスさーん」「チェスさーん」(何やらうるさいぞぉ)「はーい」で起こされて、どうやら近くに母親がいるらしく「(腫瘍は)良性だったって」とか言っているらしい。更に、また麻酔科の医師が現れて、「手術中にちょっとしたトラブルがありまして、胸のところにドレーンを付けさせてもらいました」などと言っている。更に脳神経外科の担当医師が来て、「今晩はICUに泊まってもらい、明日朝迎えにきますので。」とおっしゃる。
 どうやらここは、ICUというところらしい。
 予告通り、鼻にはがっちりガーゼが入っているので、鼻で息ができません。だから口を開いていなければならず、やたらと喉が乾きます。そのことを除いては、別にどこが痛いとか苦しいということはありません。ICUの看護婦さんがやってきて、身体の片側にフォーム材らしきものをあてがって、向きを変えてくれます。自分で寝返りが打てないので、こりゃありがたい。夜中になったら、交替の時間らしく、交替でやってきた看護婦さんに挨拶をされます。で、また身体の向きを変更。
 で、何時頃かわかりませんが、どうにもおしっこが溜まっている感じがしていけません。しかし我が膀胱にはバルーンというのが入っていて、おしっこは自然と排出される筈。おかしいなぁ、と思い、様子を見に来た看護婦さんに、おしっこを溜める袋を見てもらったら、「あっ、どうもすいません。」と言って容器を取りに走り、袋からおしっこを出してもらう。どうやら袋が満タンになっていて、それ以上膀胱から出せない状況だったようだ。やがて、我慢していたおしっこを出しているが如きの感じになり、無事に排出されているらしい・・やれやれ。
 と思ったのもつかのま。先ほどの看護婦さんがまたやって来て、「お小水の比重が軽いので、薬を使いますね」と注射をされる。後でわかったことであるが、「尿崩症」という合併症を発症したらしい。
 注射されたのは「抗利尿ホルモン」という薬。つまり、おしっこがどんどん出てしまうのを防ぐというわけ。結構痛い注射である。
 翌朝、担当医師と病棟の看護婦さんがお迎えに来て、途中CTスキャナー室に寄り、無事病棟に戻る。今度はナースステーションのほぼお向かいの2人部屋。
 午後、両親が面会にやってきて、その時間に手術のハイライト部分を執刀した脳神経外科の部長先生が現れ、手術結果を説明して下さる。「腫瘍の一部が、海綿静脈洞という部分にくっついていましたので、無理に取るのは危険ですから、そこは残しました。しかしこのタイプの腫瘍は、良い薬があるので、大きくなることは抑えられます。」とのこと。まずは手術は成功というところでしょうか。

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コメント

ぼくもバルーンをしましたけど、すごく恥ずかしいエピソードがありまして・・・。

そのときまだ中二で、いろいろと多感な時期でした。
多感というか敏感というか見境が無いというか・・・。
病室に、まだ準看のかわいい天使がやってきて、管の挿入に挑戦してくれたんですけど。
天使→「・・・力を抜いて楽にしてください。」
悪魔→「・・・は、ハイ。」

しかし不器用な天使にいろいろいじられてるうちに、
つ、ついにおぼっちゃまが・・・。
オーマイ我っ!

けどいま思うとはずかしいのは天使さんの方だったかも。
くだらないコメントにお許しを。

投稿: カズン | 2004.04.23 19:00

 カズンコーチ、コメントありがとうございます。
 失礼ながら、爆笑してしまいました。
 でも、入院中あれこれ色々と病棟の看護婦さん(今は看護師さんか)にお世話になっていると、彼女達は全員本当にきれいに見えて、入院中に看護婦さんを好きになっちゃうのって良く分かるなぁと思いました。
 小職も入院してすぐに、脳神経外科の女医さんにえらいこと聞かれまして、びっくりしました。その質問が、
「インポテンツになっていないですか?」
というんですね。はぁ?それって、役たたずになってるかってことかい?と思って、意表を突かれた質問に直ぐ答えられなかったのですが、しばし考えて、
「うーん、そういえば、ちょいと元気がない気がします」
これから手術なのに、元気バリバリっていう人もあんまりいないとは思いますけどね。無論先生はプロであって、小職の下垂体にできた種類の腫瘍の場合、男は性的に減退してしまうそうなのです。

 それじゃ、下垂体腫瘍の最終回を本日書きますね。

投稿: チェス | 2004.04.23 22:10

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